史學會

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平成20年度

第2回(6月26日開催)

演題:

伊勢と伊豆島、そしてあづまの海路

―戦後歴史学における田中史学の意義を論じて、21世紀古代史学の再生に及ぶ―

講師: 原秀三郎先生(静岡大学名誉教授)
日時: 平成20年6月26日(木)午後4時30分〜午後6時
場所: 伊勢学舎2号館3階231教室
要旨:

天武九年(六八〇)、伊勢の四郡を割いて伊賀国を建て、駿河の二郡を別けて伊豆国とした、と扶桑略記は記す。近年出土の飛鳥木簡に見える賣羅(めら)・鴨の二評はここにいう駿河の二郡に相当し、この時に駿河国の伊豆の崎が分離独立して、伊豆国が国造の国として成立したと思われる。

そして、大宝元年(七〇一)に至り、田方・那賀・賀茂三郡から成る伊豆国となるのであるが、それに至るまでは、伊豆半島の南・西部と島々は一括して伊豆島と呼ばれ、伊勢の志摩と同様に、シマと認識されていたことが判明した。

伊豆は、後に神宮領蒲屋厨が置かれ、答志と田牛(とうじ)の地名を共有するなど、伊勢・志摩と深いつながりがあり、とくに律令国家成立までの大和王権の時代は、伊勢を起点とする東方海上交通が人と物を運ぶ大動脈であり、伊豆島はその要所であって、三宅島は文字通り三宅の島であった。

当日は、伊勢と伊豆の関係を中心に、東方海上交通を包括的に論じ、王領としての伊豆島の特質を明らかにしつつ、併せて、私の地域と王権の研究に、古典読解の方法的基礎と多くの示唆とを与えた、田中史学の戦後史学上の意義と、現今の古代史学の直面する課題などについても論及して見たい。

[参考文献]
原秀三郎著『日本古代国家の起源と邪馬台国 ―田中史学と新古典主義― 』国民会館
原秀三郎著『地域と王権の古代史学』塙書房 序説・跋語

ご講演中の松尾先生

たくさんの方に御聴講いただきました

原秀三郎先生

原秀三郎先生

ご講演中の松尾先生

渡辺先生より講師紹介

ご講演中の松尾先生

ご講演中の原先生

<講師紹介>
はら・ひでさぶろう。 昭和9年(1934)静岡県生まれ。ご専門は日本古代史。
昭和33年(1958)静岡大学文理学部史学専攻卒業、昭和40年(1965)京都大学大学院文学研究科博士課程国史学専攻修了。
奈良国立文化財研究所員、静岡大学人文学部教授、千葉大学文学部教授などを歴任。「日本古代国家史研究」により文学博士(京都大学、平成元年(1989))。平成12年(2000)退官。現在、静岡大学名誉教授。
<主な著書>
・『日本古代国家史研究 大化改新論批判』(東京大学出版会、昭和55年(1980))
・『地域と王権の古代史学』(塙書房、平成14年(2002))
・『日本古代国家の起源と邪馬台国 −田中史学と新古典主義−』 (国民会館叢書51、国民会館、平成16年(2004))
ほか多数。

第1回(4月25日開催)

演題: 「新たなる伊勢中世史像の再構築 ― 謎の古市大五輪と楠部弘正寺・岩田円明寺」
講師: 松尾剛次先生(山形大学人文学部教授・山形大学都市地域学研究所所長)
日時: 平成20年4月25日(金)午後4時30分〜午後6時
場所: 伊勢学舎2号館3階231教室

ご講演中の松尾先生

古市の大五輪塔

田浦先生より謝辞岡野会長による開催挨拶と講師紹介につづいて、松尾剛次先生にご講演いただきました。

松尾先生は、弘正寺について、弘安3(1280)年に叡尊によって律寺として建てられた、神宮の本地大日如来を祀る寺であり、その寺格は伊勢国第一位であったこと、また、これまで室町時代中期の宇治山田合戦における戦死者を弔うものとされてきた古市の五輪塔は、この弘正寺によって鎌倉時代末期に建てられたもので、弘正寺僧の墓であろうとされました。

さらに、安濃津を主とした交通路支配や、葬送従事などの社会的救済活動など、これまでほとんど注目されてこなかった円明寺や律宗の果たした役割についても言及され、中世における伊勢(神宮)と律宗との関係など、示唆に富むご講演をいただきました。

当日は学生をはじめ、一般の方や学外の研究者の方にも多数ご聴講いただきました。

<講師紹介>
まつお・けんじ。昭和29年(1954)生まれ。
東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程、山形大学教養部講師、同助教授を経て、現在山形大学人文学部教授、山形大学都市地域学研究所所長。日本仏教綜合研究学会会長。またロンドン大学客員教授(平成15年度)・ 東京大学COE特任教授(平成16年度)・ ニューヨーク州立大学客員教授(平成17-18年度)も勤める。『鎌倉新仏教の宗教史学的考察』により博士(文学)(東京大学、平成6年)。御専門は日本中世史・日本宗教史。
<主な著書>
『鎌倉新仏教の成立』(吉川弘文館 1988)
『中世都市鎌倉の風景』(吉川弘文館 1993)
『勧進と破戒の中世史』(吉川弘文館 1995)
『救済の思想』(角川書店 1996)
『新版 鎌倉新仏教の成立』(吉川弘文館 1998)
『仏教入門』(岩波書店 1999)
『「お坊さん」の日本史』(NHK出版 2002)
『日本中世の禅と律』(吉川弘文館 2003)
『忍性』(ミネルヴァ書房 2004)
『鎌倉 古寺を歩く』(吉川弘文館 2005)
『四国八十八札所遍路の思想史的研究』(坂部印刷 2006)
『日本社会における仏と神』(共著 吉川弘文館 2006)
『思想の身体 戒の巻』(編著 春秋社 2006) そのほか多数。

平成19年度

第3回(1月22日開催)
演題:「『福富家文書』の概要と展示の見どころ」
講師:本学文学部教授 岡野友彦先生
日時: 1月22日(火)17:00〜18:00
場所: 伊勢学舎2号館3階234教室
内容: 本学史料編纂所所蔵「福富家文書」は山城国淀藩稲葉家の家臣であった福富家に伝来した文書です。福富家は戦国武将・稲葉良通(一鉄)に仕えた岡部長教の子孫で、豊後大友家の士族、野津家の末裔と姻戚関係にあったことから、野津家文書というべき中世文書を含み、古文書学的にも貴重なものです。
その「福富家文書」の整理・翻刻を担当された岡野友彦先生に、「福富家文書」の概要と、現在本学佐川記念神道博物館において開催中の特別展「福富家文書展」の見どころについてお話いただきます。

第3回開催「『福富家文書』の概要と展示の見どころ」

第3回開催「『福富家文書』の概要と展示の見どころ」

本学史料編纂所との共催として開催。上野秀治史料編纂所長による開催挨拶に続いて、講師の岡野友彦先生より、本学受け入れの経緯を含めた「福富家文書」の概要と、現在開催中の展覧会の見どころについて、わかりやすく講演していただきました。学生・教職員をはじめ、多数の一般の方々にご聴講いただきました。


第2回(12月6日開催)
演題:「中国における中江兆民研究」
講師:中国社会科学院日本研究所助理研究員 唐永亮先生

12月6日開催史學會講演会唐先生01

12月6日開催史學會講演会唐先生02

第1回(6月28日開催)
演題:「江戸時代における中国文化の日本への影響について」
講師:河南大学教授 牛建強先生
6月28日開催史學會講演会牛先生01 6月28日開催史學會講演会牛先生02
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